カフボックス
某所でマイクをミュートにする話が出たのでカフボックスの話をしてみる。
ラジオの公開収録を見に行ったことがある方なら見たことがあるかもしれませんが、スタジオの机の上なんかにラジオパーソナリティが手元でマイクのオン/オフを行う箱があったりするんですよ。これがいわゆるカフボックスと呼ばれるもので、咳(カフ:cough)をする際にマイクを切るのに使うことからそう呼ばれているんですね。マイクにスイッチがあるからそれを切ればいいと思う方もいるかと思いますが、あの手のスイッチは接点式*1で切り替えるとブツッとノイズが載ってしまい、これが機器的にも音響的にもよろしくない。そこでカフボックスを使うことによって、そういうノイズを載せずにマイクをオフにできると言う訳なんですよ。
ところがこのカフボックスいろいろ呼ばれ方がありまして、それぞれ少しずつ目的やら設計思想やらが違うんですね。
- カフボックス
- いわゆるカフ、オン/オフのスイッチしかないものから、カフの総称として幅広く呼称される
- カフスイッチ
- スイッチそのものを指したり、カフボックスと同様にカフの総称として呼称される
- ただフェーダー付きと区別する為にスイッチ操作のみのものなどを指すことがある
- フェーダーボックス
- フェーダーが付いている、それでカフと同じようなことが出来るが、カフとしてあるかといえばそうでもなかったりする*2
- カフフェーダー
- カフ、でもってフェーダーも付いているよというもの
- カフスイッチにフェーダーを使っているよ
- カフスイッチとは別にアッテネーターとしてフェーダーがくっついているよ
- またフェーダーの部分を指して言う
- カフ、でもってフェーダーも付いているよというもの
付加機能というのもいろいろあって、良くあるものはこんな感じ。
- タリーランプ/タリー出力
- トークバック
- 放送のほうに声を乗せずにコントロールルームと連絡を取るのに使う
- その為ヘッドフォン用のモニター出力なんかも集約されていたりする
- 回路機構
- ファントム電源を出力/透過させたり、マイクアンプが内蔵されていたり
- キューランプ
- コントロールルームからキューを出すのに使うランプ
この便利なカフボックス、でも良くアナウンサーが冒頭声が出ていないとか、パーソナリティがカフ触ったのを忘れて「あれ?」ってやっていたりとか、事故/ハプニングの種になりますが、それもまた面白いからいいんじゃないかなと。